一般財団法人 フードトラストプロジェクト

わたしたちの活動

フードマーケティングセミナー
マーケティングの見地から日本の食ビジネスを分析してきた法政大学大学院・小川孔輔教授をファシリテーターに、
日本のオーガニック業界を牽引してきた徳江倫明が、
食品の生産・流通・販売等を手がける“旬な仕掛け人”を毎回ゲストにお迎えして開催するユニークなセミナー。
「業界の裏事情は?」「注目のあの会社は、いったいどこへ向かうのか?」
「最先端のマーケティング理論で予想する近未来のマーケットは?」等々、
話題の人・企業・業界を、話術という名のメスで解剖していきます。
「ここまで言わせてしまって良いものか?」と思わせる、小川教授と徳江倫明の“メスさばき”にご注目ください。
食の業界に携わるすべての方々に。
小川 孔輔
ファシリテーター 小川 孔輔 Kousuke Ogawa
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1951年生まれ、東京大学経済学部卒。同大学大学院前期課程を終了、経営学に専門領域を転じる。大学院時代から、マーケティング・リサーチ、マーケティングのモデル分析などを主たる研究領域とする。
法政大学大学院イノベーリョン・マネジメント研究科教授。日本フローラルマーケティング協会会長。
「マーケティング情報革命」(有斐閣)、「当世ブランド物語」(誠文堂新光社)、(編著)「ブランド・リレーションシップ」(同文館出版)、「有機農産物の流通とマーケティング」(農文協)、「マネジメント・テキスト マーケティング入門」(日本経済新聞出版社)など、著書・翻訳・編著多数。

徳江 倫明
コーディネーター 徳江 倫明 Michiaki Tokue
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1951年生まれ。早稲田大学卒。1978年、日本初の有機農産物専門流通団体「大地を守る会」の創立時メンバーとして共同購入システムの開発・卸物流の開発を手がける。1988年、有機農産物宅配システム「らでぃっしゅぼーや」を興し、1999年まで代表を務める。2000年、有機JAS認証機関を設立。現在も、生産者と販売者のコーディネートやオーガニックマーケットの拡大に奔放するなど、食の安心・安全や環境保護に関する新しい取り組みに挑戦し続けている。
一般社団法人フードトラストプロジェクト代表理事。一般社団法人生きもの認証推進協会代表理事。NPO法人IFOAMジャパン副理事長。エフティピーエス株式会社代表取締役会長。著書に「農業こそ21世紀の環境ビジネスが」(たちばな出版)、「危ないものをつくりすぎた」(誠文堂新光社)がある。

第3回

『キレイゴトぬきの農業論』  -久松流“エロうま野菜”のマーケティング-

誤解①「有機農法なら安全で美味しい」誤解②「農家は清貧な弱者である」誤解③「農業にはガッツが必要だ」
日本の農業に関する議論は、誤解に基づいた神話に満ちていると主張する久松達央氏。
キレイゴト もタブーも一切無し。有機農家が畑で徹底的にロジカルに考え抜いた知的農業論を展開します。

  • 久松 達央
  • ゲスト 久松 達央 久松農園 代表
久松 達央
1970年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、帝人(株)で輸出営業に従事。1999年、農業へ転身し、久松農園を設立。年間50品目以上の旬の有機野菜を栽培し、会員消費者と都内の飲食店に直接販売をしている。セオリーを超えた独自のゲリラ戦略で全国にファンを獲得するその手法は、農業関係者のみならず多くの流通業者やマーケッターからも注目されている。(久松農園オフィシャルサイトhttp://hisamatsufarm.com/)

農家は「可哀想な人」ではない|久松達央『キレイゴトぬきの農業論』(新潮社webサイトより)
「農家の人が苦労してつくったお米なんだから、残さず食べなさい」。親や教師からこう言われた経験のある方は多いと思います。僕も子供の頃に母親から、「昔は、お米を残すと目が潰れる、と言われたのよ」と、脅された記憶があります。そう言われると、ご飯を残すことがなんだか後ろめたいような、暗い気持ちになったものです。僕は脱サラして好きで農業を始めた口なので、農業が精神的に苦痛だと感じることはありません。しかし、「農業されてるんですか? 大変でしょう」と声をかけられることが結構あります。すっかり慣れてしまいましたが、よく考えると、フツーのサラリーマンが見ず知らずの人から「大変でしょう」と言われることはあまりないと思います。先のお米の話といい、「大変でしょう」といい、農家がやや特殊な扱いを受けるのは、「農業はきつい仕事」「儲からないのに、食べる人のために歯を食いしばって頑張っている」というイメージが浸透しているからでしょう。さらに言えば、農家は世の中でババを引いてしまった人たち、という哀れみの感情すら混じっているようにも思えます。

実際には農業生産をしている農家の多くは、可哀想な人たちではありません。農業全般が他産業に比べて収益性が高いとは言えませんが、突出して低いわけでもありません。ところが、少なからぬ人が、農家は不条理な目に遭っている、と考えているせいで、農家や農業を客観的に語ることがタブー化してしまい、オープンに議論することがはばかられるような空気があるように思えます。同じ食べ物でも、コンビニ弁当を語る際には、企業間の競争で消費者に利益がもたらされることがよしとされ、価格や品質の競争に敗れたプレイヤーは脱落して当然と誰もが考えています。ひるがえって農業はどうでしょうか。「消費者の利益になるなら、貿易の自由化や企業の参入も進めるべきだし、農家が高齢化して生産性が落ちたら潰れて当然」。こんな意見を言うと、ひどい奴だと叩かれてしまいます。この空気の中では、農業に関する素朴な疑問を口にすること自体が、ご飯を残すような後ろめたさを人々に感じさせるのではないでしょうか。

農業だけは「命の産業」だから、「子どもたちの未来」のために守らなきゃいけない! という美しいキレイゴトで議論すらままならない状況が健全だとは到底思えません。何より問題なのは、そんな農業は、チャレンジ精神と野心を持った優秀な若者からは魅力的に見えないことです。 守らなきゃ、と言っている人たちが、結果的に農業を魅力のないものにしてしまっているのではないか? 好きで農業をやり始めて、それでメシを食っている僕はそう思っています。(ひさまつ・たつおう 久松農園代表)

第3回 フードマーケティングセミナー
【日 時】 :2月26日(水)

※従来と開始時間が異なります。ご注意ください。
17:30~開場
18:00~18:45
基調講演「キレイゴトぬきの農業論」 久松達央
18:45~20:30
鼎談「久松流“エロうま野菜”のマーケティング」 久松達央・小川孔輔・徳江倫明
※質疑応答含む
20:45~懇親会(予定)

【場 所】 法政大学経営大学院(新一口坂校舎)
【参加費】 一般 7,000円(税込)
メルマガ会員(※) 6,000円(税込)

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