7月29日14:30~
有機農業の原点を語る
JAとオーガニック~有機農業という名前の由来~
現在、自由民主党は、農業競争力強化を目指すということで、流通の合理化や資材の値下げなどに対して積極的に動いています。一方で、JAに対し、大きな改革を求める声も各地から上がっています。しかしながら、規模拡大による流通コストの抑制や資材の値下げ等、目の前にある課題だけに目を向けるのではなく、長期的な視野に立って「日本の農業をこれからどうしていくか?」を考えた時、JAの持つべき役割は大きなものがあると私たちは考えます。
その一つとして、国連が持続可能な開発目標SDGsでも取り上げていますが、家族農業を守り、中山間地などの小規模農業を活性化していくことこそ環境を守り、生物多様性を実現し、ひいては生産の安定性をもたらすということが世界的認識となっています。日本の農業においても特に重要なことは、農地面積でも生産額、農家数でも約40%を占め、大規模化が不可能な中山間地農業の活性化です。そして新規就農者の30%は有機農業を目指しています。環境を守り、生物多様性を実現する有機農業の普及を、各地のJAが中心となって新規就農者の孤立を防ぎながら推進していくことは、これからの日本の農業を考える上で不可欠なテーマであり、その取り組みは日本農業に対する国民の共感を呼び起こすことにつながると思います。
“有機農業”という言葉を考案し、農林中央金庫理事、全国農業協同組合中央会理事、協同組合経営研究所理事長を歴任した後、日本有機農業研究会を設立した一楽照雄氏(1906-1994)は、もともとは戦後の農業協同組合(現・JA)の設立に力を尽くした方でした。
農薬・化学肥料を多用する農業が必ずや環境を破壊すると警鐘を鳴らし、消費者に安全な食を提供することを目指す活動の原点は、実はJAにあったのだということを、今、オーガニック業界の関係者は改めて知り、その歴史を理解する必要があるでしょう。
今回、JAとして有機農業の普及拡大に取り組んでいくことを表明している「JA東とくしま」より荒井義之組合長さんをお招きし、その経緯、及び仕事の組み立て方をお話しいただきます。実は、JA東とくしまがある地域は、一楽氏の出生の地、郷里でもあるのです。歴史による導きであり、「日本の農業を活性化していくためには有機農業という答えしかないのだ」という“志のDNA”が連綿と受け継がれていたことによるものだと言えるのではないでしょうか。
魚住道郎さんは、一楽さんが設立した日本有機農業研究会の現副理事長で、30年以上、茨城で有機農業を実践してきた生産者でもあります。戦後農業協同組合の設立に力を尽くした一楽さんが、その後なぜ有機農業の団体を作って動き始めたのか、どんなことを訴え続けたのか、まさに、日本の有機農業の原点を語っていただきます。
小祝政明さんは、土づくりや有機農業の技術普及の専門家です。生産者が個人的に深く追求していくための技術と、農業者団体であるJAが地域を対象に取り組む普及型の技術は、それぞれ内容が異なりますが、有機農業の推進のためにはその両翼が必要。今回、JA東とくしまが有機農業(含・特別栽培)に取り組んでいくにあたり、小祝氏は、“普及型の技術体系”の構築に取り組んでいます。
このセミナーは、有機農業の第一線で活躍なさっている3名の方々のお話しを通して、日本の有機農業の“原点”を知り、“これから”に活かしていただくヒントをお持ち帰りいただくために企画されました。生産者、JA関係者、流通関係者など、日本の農業に携わるすべての方々にお聞きいただきたい内容です。
【登壇者】
荒井義之 氏 (東とくしま農業協同組合 代表理事組合長)
徳江倫明 氏 (一般社団法人オーガニックフォーラムジャパン会長)
開催日時:7月29日(土)14:30~16:30(14:10受付開始)
開催場所:東京国際フォーラム ホールE メインステージ
お時間になりましたらメインステージ受付にお越しください。
事前申し込みは終了いたしました。当日席をご用意いたしますので参加希望の方はお時間になりましたら、メインステージへお集まりください。
※当セミナーへのご入場は7月29日・30日東京国際フォーラムにて開催される、「オーガニックライフスタイルEXPO」への入場証が必要となります。
入場招待券をお持ちでない方は、事前登録を公式ホームページより行っておりますので、事前登録をお願い致します。
https://ofj.or.jp/access.html
主催 (一社)オーガニックフォーラムジャパン
共催 (一社)フードトラストプロジェクト
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