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2017年10月3日(火)~4日(水)
『北海道アニマルウェルフェアスタディツアー』
-2日間で6つの牧場を視察!アニマルウェルフェアを実感し、味わう旅-
アニマルウェルフェアは、一般的には「動物福祉」と訳されており、畜産業界においては、動物の生理に合った、できるだけストレスを与えない飼育方法を意味します。まだまだ日本では聞きなれない言葉ですが、すでにロンドンやリオのオリンピック・パラリンピックでは選手村等で使用する食材の調達基準に条件づけられるほど、国際的には注目を浴びているものです。2020年の東京オリンピック・パラリンピックにおける食材調達基準も例外ではありません。そんな背景を踏まえ、「いま、この時期から、メイド・イン・ジャパンのアニマルウェルフェア畜産物の生産・販売に”本格的に取り組み始めることが、日本の畜産業界にとって重要な起爆剤となる」と考える生産者も次第に増え始めています。
今回のツアーは、およそ40年前に立ち上げた放牧豚に始まり、平飼い養鶏、放牧酪農など、全国の生産者とともにアニマルウェルフェア畜産の構築・普及に取り組んできた徳江倫明((社)フードトラストプロジェクト代表理事)が中心となって企画したもの。わずか2日間ではありますが、6つの牧場を視察。視察する現地ではもちろんのこと、移動時間も利用して、各方面の専門家からレクチャーを受けるという、他には無い充実の内容です。これからアニマルウェルフェアに取り組もうとお考えの生産者の方々、自治体・農協・給食関係者・畜産卸、食品メーカーの皆様、2020年に向けて食材を検討中の流通業者・レストラン関係者の皆様、オーガニック畜産の大前提ともいえるアニマルウェルフェアへの取り組みを、ぜひご一緒に進めて参りましょう。
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【詳細】
東京オリパラでの食材調達基準の畜産編ではアニマルウェルフェアの飼養指針に準じた管理が求められています(下記参照)。また2012年のロンドンオリパラ、2016年のリオオリパラでも同様の調達基準となっており、今後日本の畜産を考えるうえでも重要な視点となります。
いわば、「動物の福祉」を考えることと、国際的な目標である「環境を守り」、「持続可能な生産と消費」の実現が同じ道の上にあることが認識されつつあります(国連の持続可能な開発目標SDGs)。動物の生理にあった飼い方、動物にストレスを与えない飼い方を目指すことが放牧飼養や平飼い、山地酪農につながり、また穀物偏重の餌から草主体、サイレージとの組み合わせによる給餌システムへの転換につながります。また日本の環境許容量に見合った飼養頭数を前提にした畜産システムに移行することによって環境負荷を軽減し、同時に密飼いなどと呼ばれる劣悪な飼育環境によってもたらされる病気予防のための抗生物質等の薬剤、効率性から使用されるホルモン剤などの使用中止が可能になり、食の安全にもつながることになります。
こうした畜産が広がるために、第一に大切なことは消費者の理解です。アニマルウェルフェアとは何か、何が優れているのか、何よりものびのびと飼養される動物の姿を実感することによってその大切さを理解していただけるものと思います。
第二に必要なことは、アニマルウェルフェアの飼養指針に沿った飼い方に関する生産技術的側面、加工技術的側面、経営的側面など生産・流通段階でのノウハウの蓄積と共有が図られることです。
第三に、卸・小売りなどがどのような考え方に立ち、消費者に何を伝え、特に熟成技術などによる味の多様性を図るなど、第一、第二の視点と合わさり、生産・流通・消費の三位一体的取り組みによる新しいマーケティングの方法を確立することです。
以上の観点から、生産者、流通・販売、消費者を交えた視察ツアーを開催することにより、アニマルウェルフェアの理解と普及の第一歩としたいと思います。
《第2回アニマルウェルフェアサミットに向けて》
2017年7月28日・29日・30日、東京国際フォーラムにて開催した“第2回オーガニックライフスタイルEXPO”にて行われた“第1回アニマルウェルフェアサミット”では約80名の参加で、アニマルウェルフェアとは何か、どんな飼い方なのかなど、まずは基本的な情報提供を行いました。
この取り組みは、東京オリパラに向け毎年継続して行うこととし、来年の第2回は基本的知識と同時に、分科会等で生産者・流通・小売り段階での技術的側面や経営的側面についても事例発表やノウハウの共有化を図る。また消費者からみたアニマルウェルフェアとは何かなどについても言及できるような分科会なども企画し進めていきます。
今回の視察ツアーは、流通・小売りとともに消費者の方に実際に現場を見て、生産者との意見交換などを通して、アニマルウェルフェアを実感していただくための企画です。2日間で
6か所+αを回る密度の濃い視察ツアーとなりますが、“アニマルウェルフェアとは何か”をよくわかっていただけると思います。また、その後、みなさんの意見を取り入れながら、関東東北などでもアニマルウェルフェアと同時にそれを前提にしたオーガニック養鶏や食鳥、山地酪農の視察なども実現していきたいと思います。
【参加者対象】
• アニマルウェルフェアに関心のある生活協同組合の理事、スタッフ、生産者、組合員
• アニマルウェルフェアに関心のある専門流通団体の経営者、スタッフ、生産者、会員
• オーガニック等小売事業者
• 畜産卸・販売会社関係者
• スーパーマーケット等関係者
• 一般消費者等
• メディア関係者
• その他
【訪問先&スケジュール】
■日程
2017年10月3日(火)~4日(水) 2日間
■集合解散場所
集合:帯広空港 or 帯広駅 解散:釧路空港 or 帯広駅
[※羽田空港発着の航空券手配も宿泊とのパック料金を利用して手配可能です。]
■現地研修会スタディツアー参加費用
お一人 35,000円
[※羽田空港発着指定便の航空券希望の方は、追加費用お一人39,000円となります。]
<費用に含まれるもの>宿泊代(2名1室朝食付)、研修会用貸切バス代、視察費、昼食2回、消費税込。
<費用に含まれないもの>集合解散場所までの交通費(航空券代等)、その他個人的費用
※シングルルーム利用希望者は、追加費用お一人5,000円となります。
■定員:22名 (最少催行人員15名)
※講演や視察の学びの収穫や参加者同士の交流を深めるために定員を少なく設定しています。
※ご希望の方は早めにお申込みください。(先着順)
■お申込はこちら:https://reborn-japan.com/applyform?post_id=12824
■お問合せはこちら:https://reborn-japan.com/inquiryform?post_id=12824
■スケジュール(予定)
<1日目>
帯広空港8:50集合
[※東京からは羽田7:45発<ANA4761>帯広8:50]
09:20 帯広空港出発後の車中(FTP徳江代表・帯広畜産大瀬尾先生AW講座、VTR、参加者紹介など)
10:00幕別町・エルパソ牧場(視察、意見交換)11:00
http://elpaso.jp/
12:30 駒谷牧場(林間放牧ブラックアンガス「ジビーフ」視察、昼食BBQ)14:30
(写真2点掲載)
http://www.omi-gyu.com/blog/?p=5299
http://www.omi-gyu.com/fs/omigyu/c/gibieef
15:30 えりも町・高橋牧場(日本短角牛の放牧視察、意見交換)17:00
http://www.erimotankaku.jp/
19:30 帯広市内ホテル(※希望者は生産者交流食事会へ)
<2日目>
08:30 ホテル出発後の車中(車内レクチャー等)
09:40足寄町・北十勝ファーム(国産飼料99%&放牧で育つ短角牛視察、意見交換)
http://www.kitatokachi-farm.com/
11:45足寄・石田めん羊牧場 (視察、意見交換)12:30 (写真2点掲載)
http://www.ishida-sheep-farm.com/
12:30 ひつじ堂(石田めん羊牧場経営のレストランで昼食)13:40
http://www.ishida-sheep-farm.com/hitsujidou
15:00釧路市・榛沢牧場 (視察、意見交換)17:00
http://www.recycle-gyu.com/pdf_file/bokujo1_hanzawa.pdf#search=%27%E6%A6%9B%E6%B2%A2%E7%89%A7%E5%A0%B4%27
17:30釧路空港到着・解散予定
[※東京へは釧路19:10<ANA4774>羽田20:55着]
19:30帯広駅到着・解散予定
※天候や現地の状況により、内容が変更になる場合があります。
■主催:一般社団法人フードトラストプロジェクト
■共催:一般社団法人オーガニックフォーラムジャパン
■協力:北海道オーガニックビーフ振興協議会
■協力:一般社団法人アニマルウェルフェア畜産協会(依頼中)
■旅行企画・実施:有限会社リボーン<エコツーリズム・ネットワーク>
埼玉県知事登録旅行業第2-1198号 ANTA正会員
■企画協力:株式会社グロッシー
講師及びコメンテーター
移動時間を利用して、また視察現地でそれぞれ専門の方にお話しいただき、またビデオなどでアニマルウェルフェア、オーガニック畜産について学びます。
• 帯広畜産大学講師、一般社団法人アニマルウェルフェア畜産協会代表理事 瀬尾哲也
• 株式会社グロッシー代表取締役 北村貴
• HOBA北海道オーガニックビーフ振興協会 事務局長花房俊一
• 一般社団法人フードトラストプロジェクト代表理事 徳江倫明
• その他参加の畜産卸、流通・販売者の方数名から事例紹介など
※参考資料
東京オリパラ食材調達基準
畜産の調達基準一部(詳しくは、下記リンク先へ)
サプライヤーは、畜産物について、持続可能性の観点から以下の①~④を満たすものの調達を行わなければならない。
①食材の安全を確保するため、畜産物の生産に当たり、日本の関係法令等に照らして適切な措置が講じられていること。
②環境保全に配慮した畜産物生産活動を確保するため、畜産物の生産に当たり、日本の関係法令等に照らして適切な措置が講じられていること。
③作業者の労働安全を確保するため、畜産物の生産に当たり、日本の関係法令等に照らして適切な措置が講じられていること。
④快適性に配慮した家畜の飼養管理のため、畜産物の生産に当たり、アニマルウェルフェアの考え方に対応した飼養管理指針に照らして適切な措置が講じられていること。
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アニマルウェルフェアとは
アニマルウェルフェア(Animal Welfare)とは、感受性を持つ生き物としての家畜に心を寄り添わせ、誕生から死を迎えるまでの間、ストレスをできる限り少なく、行動要求が満たされた、健康的な生活ができる飼育方法をめざす畜産のあり方です。欧州発の考え方で、日本では「動物福祉」や「家畜福祉」と訳されてきました。
1960年代のイギリスでは、工業的な畜産のあり方を批判した、ルース・ハリソン氏の『アニマル・マシーン』が出版され、大きな関心を呼びました。イギリス政府が立ち上げた委員会は、「すべての家畜に、立つ、寝る、向きを変える、身繕いする、手足を伸ばす自由を」という基準を提唱します。こうした動きを受け、家畜の劣悪な飼育環境を改善させ、ウェルフェア(満たされて生きる状態)を確立するために、次の「5つの自由」が定められました。
1.空腹と渇きからの自由
2.不快からの自由
3.痛みや傷、病気からの自由
4.正常な行動を発現する自由
5.恐怖や苦悩からの自由
今では、「5つの自由」は家畜のみならず、人間の飼育下にあるペットや実験動物など、あらゆる動物のウェルフェアの基本として世界中で認められています。
一般社団法人アニマルウェルフェア畜産協会ホームページより
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